Coombs と Gell によるアレルギー型の分類

Gell, P.G.H.Coombs, R.R.A. の編集による「Clinical Aspects of Immunology」という 1963 年に初版が出た書籍の中の「Responsible for Clinical Hypersensitivity and Disease」という論文が元になっているようです。古い情報ですし、21 世紀になってから T 細胞の分類が変化したりもしていますが、未だに医療関係者にとっては必修の情報です。
まずは医療関係者に共通した知識としてCoombs&Gell を身につけてください。別名と代表的な疾患、発症までの時間、関与する Ig、細胞の種類、および補体の関与の有無がポイントです。
下表の作成には上記の書籍(Amazon で 1982 年版が入手できるようです。このページは 1975 年発行の 第3版 の中の「Classification of Allergic Reactions Responsible for Clinical Hypersensitivity and Disease」という論文に基づいてチェックしました)、教科書(じほう「器官別 病態生理と治療薬」第2版、薬学ゼミナール編集「医療薬学 III」2007 年版)および Websites(MerckSource, Wikipedia, Spiexpert, 厚労省 「アレルギー疾患対策推進協議会 (アレルギー疾患対策推進協議会)」の「第1回 資料2」) を参考にさせていただきました。

別名 主に関与するイムノグロブリン 発症するまでの時間 主に関与する 細胞・因子・キーワード 代表的な疾患
I
アナフィラキシー型 IgE 数分から数時間
(個々の反応は発症から 24 時間後までに終了することが多い)
→ 即時型と言われる
マスト細胞(肥満細胞)や好塩基球の Fcε レセプター(IgE のレセプター) アレルギー性鼻炎、
アレルギー性結膜炎、
花粉症、
アトピー性皮膚炎、
アトピー性のじんましん、
気管支喘息、
アナフィラキシーショック など
II
細胞障害型 IgG, IgM 24~72 時間程度
→ 即時型と言われる
Killer T 細胞(キラー細胞)による細胞障害作用、
補体、
マクロファージ、
好中球
自己免疫性溶血性貧血、
不適合輸血による溶血性貧血、
特発性血小板減少性紫斑病、
顆粒球減少症 など

少なくとも 1975 年までのCoombs&Gell にはないが、バセドウ病(グレーヴス病)は抗体が甲状腺の細胞の表面の自己抗原に結合する II 型反応であるものの、細胞を傷害せずに刺激することから「V型」と分類することもある(特にイギリスで用いられている分類のようです)。
III
免疫複合体型
または
アルサス型
IgG,IgM 24~72 時間程度
→ 即時型と言われる
免疫複合体(抗原と抗体の複合体)、
補体
関節リウマチ、
急性糸球体腎炎、
全身性エリテマトーデス(SLE: systemic lupus erythematosus)、過敏性肺炎、
など
IV
遅延型過敏症
または
T 細胞依存型
3日(72 時間)以上
→ 遅延型と言われる
T 細胞、
サイトカイン
ツベルクリン反応、結核、同種移植における拒絶反応、接触性皮膚炎、アレルギー性脳炎、過敏性肺炎、ハンセン病、クローン病、サルコイドーシス など